良い方を選ぶ


良い方を選ぶ

ルカ103842

皆さん、今日の福音はイエス様がマルタの家に迎えられたときの出来事についてです。マルタは食事の準備で大忙しですが、妹のマリアはイエス様の話をただ聞いているだけです。手伝わないマリアにいらだちを覚えたマルタは、イエス様に訴えました。

もし皆さんがこのような状況にあったら、どう思うでしょうか?マリアはマルタを手伝うべきだとか、マルタは、もっと簡単なおもてなしをして、一緒にイエス様の話を聞けばいい、などと思うかもしれません。

イエス様はマルタに向けて、このように諭しました。「マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。 しかし、必要なことはただ一つだけである。マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならない」

このイエス様の御言葉は、皆さんが今生きていく上で、何を大切にしているのですか、という問いかけでもあります。その答えによって皆さんの人生観や、生き方が大きく変わります。その価値観次第で、私達は同じような環境の中にいても、幸せに生きられるか、不幸だと感じるかという事まで変わってくるものです。

私は小神学生の時、寮で生活をしていました。聖堂では毎朝、同級生、先輩、後輩、司祭、先生達と一緒に祈りやミサを行いました。一日の労働、講義を終えた後も、聖堂でまた、皆が集まり、祈りや聖書の輪読会が行われます。時々、辛い試練の日々の繰り返しの中で、自分勝手な感情や疑問が生まれたこともありました。ですが、聖書を読むたびに、自分の乱れた心を正し、祈りを通してイエス様と共にいる喜びを感じることができます。

私達は、日々の忙しい生活の中で、マルタのように、思い通りにいかない状況下で苛立ちを感じたり、押しつけがましい要求をしてしまったりすることがあります。 ですが、そんな私達にイエス様は、すべきことは“ただ一つ”、私達に柔軟な生き方や考え方へと転換しなさい、という教えをくださったのです。

    確かにある人は、他の人よりもよく気が付いて、要領よく物事をこなすことができるかもしれません。でも、全ての人が同じことを出来るわけではありません。ある人は他の人と異なる事を立派に成し遂げる能力を持っていることもあります。つまり、私達の問題は、ついつい自分を基準にして他の人たちを比べてしまう事です。もし私達が、自分と同じようではないからという理由で、腹を立て始めたら、私達は個性を失い、みんな同じことをしなければならなくなってしまいます。

   つまり、私達キリスト者の行動は、神様の愛から始まり、信仰にもとづいて行動することを求められています。どうぞ、ご自分の意見こそが正しいとか、ご自分を基準に他人を比較するような言葉や行動を慎みましょう。隣人愛から学んだように、寛容な心で物事を受け止めたいものです。

人生の中で迷った時、この世の損得で判断するのではなく、神様からの愛によって物事を選んでください。 生き方をシンプルにして、御言葉に立つという生き方に徹底すれば、日常生活の思い悩みは徐々に整理されていくのではないでしょうか。

私達は純粋な心で、神様の愛、イエス様の愛を受けとめ、その愛を次の人達に手渡しすることができたら、イエス様の弟子として、神様の働き手とし生きていくことが出来ます。そして、その生き方こそがイエス様の仰った、「ただ一つの良い方」のなのだと私は思います。

主の平和

 

(吉祥寺、2022717日)

Comments

Post a Comment

Popular posts from this blog

常に心を神様に向けて生きる-TURN YOUR HEART TO GOD

神様の招きに答える-ANSWERING GOD'S INVITATION

行動を伴わない信仰は信仰ではない-FAITH WITHOUT WORKS IS ESSENTIALLY DEAD