「善きサマリア人からの学び」
「善きサマリア人からの学び」
ルカ10.25-37
皆さん、今日の福音は「善きサマリア人」のお話です。それはイエス様が語られた有名な例え話です。主な要点は、隣人愛と和解についてであると思います。
当時サマリア人は「血の汚れた民族」として蔑まれてきました。ある時、旅人が、強盗に襲われ、倒れていました。一人の祭司とレビ人は、神様に仕えるという立場でありながら、怪我人を見捨てて、通り過ぎていきます。しかし、一人のサマリア人は違いました。彼は怪我人を介護して宿屋まで運び、のちにお金を宿屋に払って介抱してもらえるように頼んだのでした。
イエス様がこの例え話をされたのはある時、律法の専門家が、イエス様に「永遠の命は、神を愛し、隣人を愛するという律法を守ることで得られる。私は同じユダヤ人の隣人を愛している。」と言いました。イエス様は、「善きサマリア人」の話を通して「隣人を愛せよ」という事は、自分を変えることによって、敵だと思う人を隣人として愛しなさい」と律法の専門家を諭されたのでした。
残念ながら、私達も彼らのように都合の悪い事から目を逸らすことがあります。ですが、その度毎に後悔や反省をして、神様の赦しを乞うことによって、神様は全てを受けとめて下さいます。そしていつか私達を「善きサマリア人」として、造り変えて下さるのではないでしょうか。それこそが神様の救い手が成せる業です。
私は日本に来てまだ4年くらい、そして吉祥寺教会に来てまだ2年一ヶ月間くらいですが、最初は日本語も分からず、知り合いも無く、毎日が不安でした。ですが、問題が起こるたびに必ずそっと手を差し伸べて、助けてくれる人に出会います。そんな時はホッとすると同時に、神様が送ってくださった「善きサマリア人」に心から感謝します。そして同時に自分も「善きサマリア人」として生きていく使命を感じています。
次に、「敵を愛する」という和解についてお話します。サマリア人に助けられた旅人は、その後どう思ったでしょうか? サマリア人に感謝してサマリア人を助ける側についたかもしれません。この物語は私達に、日常から一歩を踏み出す勇気を与え、その一歩が隣人との和解を導くきっかけになるのではないでしょうか。
残念ながら日本の元首相の命が銃弾で奪われました。皆さんも大変驚かれたと思います。ここでお亡くなりになった元首相の死を悼みます。偶然ですが、今日の福音の教えは「隣人愛と和解」でした。皆さんお一人お一人の受け止め方は違うかもしれませんが、改めて、この教えの意味を理解していただきたいと願います。
今日のこのミサを通して、私達は心を清め、「善きサマリア人」となれるよう、寛大な心でイエス様をお迎えしましょう。
最後に一つの歌を歌わせてください。
1.この人生は素晴らしい出来事
神様に仕えるために
いただいた時間を無駄にしないで
この人生は束の間だから
2.この人生は素晴らしい出来事
どんな時にあっても
愛のうちに助け合いましょう
この人生は賜物だから
Reff
主よみ旨のままに
私をお使い下さい
生きる力が弱くなっても
この人生の恵みは続く (2x)
カトリック吉祥寺教会、2022年7月10日(09.00時)
アンディ神父
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